蘇る遠き日々




 リビングに全員が集合し、それぞれが椅子やソファに腰をおろした。普段はリビングに三脚しか椅子がないため、奥の部屋からアルスが引っ張り出してきた椅子が並んでいる。シアンとライエが並んでソファに座っていた。
 ボロボロになってしまった服を纏っていたシャールはアルスの服を借りて着替えていた。背格好が似ているために大きさは丁度よい。最初は厭がっていたシャールだったが、最後にはシアンに背中を押されて渋々アルスの服に袖を通した。
 本題を話始める前に、アルスが自分たちの得ている情報について完結にセラフィックに説明した。シアンたちはクライテリアという世界から来たということや、キーストーンについてわかっている情報を並べる。そしてアルスが話し終えると、セラフィックは「わかりました」と言いながら自分の頭の中で情報を整理した。
 ひとつ間を置いてからセラフィックは再び口を開く。
「じゃあまずはクライテリアについて説明しておきます。……クライテリアは伝承通り、創造主クレアの眠る世界です」
「……最初から話が飛躍するな。創造主の眠る世界と言われても、俺たちにとって創造主は伝承上の人物だ」
「そう想ってしまうのならここから先の説明は成立しません。信じるかどうかはそちらの自由ですけど」
「取り敢えず聞くだけ聞いとこうや、あー坊。判断はその後からでもいいだろ? 別の世界、なんていう時点で俺様たちにはお伽噺みたいなもんなんだからよ」
 納得の色を示していないアルスに対して隣にいたハディスがそう助言した。少し考えてからアルスは「そうだな」と頷く。
 セラフィックが切りだしたその話題をヴェイルが繋げた。
「ヴォイエントとクライテリアには同じ伝承がある……少し違う部分はあるらしいけど。とにかく、その伝承っていうのは夢物語よりも歴史と言った方が正確なほどに、事実に基づいているものなんだ。ベルセルクと防衛軍が争ったことも、キーストーンが存在したことも、マルドゥークが召喚されたことも、……創造主がクライテリアで眠りについたことも、すべてが事実なんだよ」
「創造主といっても、あるのは意識だけで姿も声もない。もともと創造主っていうのはそういうものですから。クライテリアのどこかで眠っていて、その意識は人々にときに宣告を行い、ときに神罰を下します。ヴォイエントの聖堂では何もない空間に創造主への祈りを捧げているらしいけれど、それは創造主が意識だけの存在だからです。ヴィジュアル的な資料が残っていないのは当たり前、ということになります」
 創造主についてのセラフィックの説明に、ライエは疑うどころかとても納得したように何度も頷いている。子どもの頃からずっと見続けてきた聖堂の風景が、そう言った理由に基づいていることなど知る由もなかった。聖堂関係者ですらはっきりとわかっていないことを耳にできるのは、クレアチュールに馴染みのあるライエにとっては新鮮なことだ。
 そのライエは、セラフィックの言葉を自分の中で整理しつつ、遠慮がちに小さく手を挙げた。
「あの……さっき仰ってた、宣告とか神罰とかっていうのは、具体的にはどういうことなんですか?」
「……クライテリアとヴォイエントは似たような世界です。クライテリアにも街はあるし、人もいる。ただ決定的に違うのは人の生まれ方です。ヴォイエントでは母親が子どもを生みますよね? でもクライテリアの人間は、創造主が必要としたときに創造主の望む年齢やある程度のスキルを持って生みだされ、誰かに不利益を与えるようなことをして不要だと見なされれば抹消されるんです」
「……そんな……」
「だから僕たちクライテリアの人間は生まれたときからこの姿で、そこから外見的に歳を重ねることはありません。実際、僕もヴェイルも、ハディスさんより生きている時間は永いですよ」
「おいおい、マジか、そりゃ?」
 自分と比較されてハディスは思わず気の抜けた声を発した。ヴェイルもシャールも訂正しないところを観ると、セラフィックの言葉は本当なのだろう。しかしハディスをはじめヴォイエントのメンバーは、この少年たちが自分たちより永く生きているということが信じられなかった。
 言葉を失ったアルスたちを見ながら、シアンはソファの上で膝を抱えた。自分の情報と与えられる情報を照らし合わせ、冷静に話を聞いている。
 クライテリアのシステムに唖然としながらも、ユーフォリアは突然思いたったように誰に対してでもなく口を開いた。
「……ってことはさ、シアンとかヴェイルとかが突然消えちまうってこともあり得るのか? いや、誰かに不利益を与えるだなんて想ってねぇけどさ、今の話きいてると可能性としてはゼロじゃねぇわけだろ?」
「莫迦のくせにつまんねぇこと考えてんじゃねぇ」
 不機嫌そうにシャールが冷たく言い放つ。ユーフォリアがむっとした表情を浮かべてシャールを睨んだが、シャールはそんなことは気にもとめていない。
今にも喧嘩腰で食って掛かろうとするユーフォリアをアルスは呆れながらもなだめていた。そのアルスに向かってセラフィックが説明する。
「数年前、創造主が眠りから目覚めたんです」
「目覚めた……。それは具体的にどういうことだ」
「意識だけの存在である創造主が人の身体へと宿ることで、意識だけの存在から脱することを言います。創造主が目覚めてしまうと、宣告や神罰のようなことはできなくなるんです。人へ宿るわけですから、その人の判断だけで宣告や神罰が成されてしまっては困る……世界が秩序を失ってしまうかもしれませんからね。そしてそのかわり、意識だけでは行使し得なかったこと、たとえばヴォイエントに移動するといったようなことができるようになるんです。そして創造主は数年前に目覚めてから、まだ眠りについていません」
「なるほど。だから今は宣告や神罰が行われることはない、ということか……。……創造主が人に宿るといっても、その人の基準というものは存在しないのか? 今の話を聞いていると創造主は絶対的な権力の保持者だ。それほどの存在が誰彼構わずにその意識を譲渡するとは想えないが」
「……ちっとはマシなこと訊きやがるじゃねぇか、警察」
 鋭い眼光でシャールはアルスを見遣った。先程ユーフォリアを睨んだときと比べると幾分不機嫌さはなくなったように見えるが、長い前髪の下に見える紅い瞳は相変わらず人を射るようである。自分とアルスに対するシャールの態度に違いにユーフォリアはつまらなさそうに唇を尖らせた。
 アルスたちが囲むテーブルから少し離れたところに椅子を置き、シャールはそこに横柄な態度で足を組んで座っている。更に腕を組んでユーフォリアを無視したままアルスに移した視線を外さずにいた。
「創造主は自らの器を創ろうとしやがった。適正のある人間を育成して、そこに宿るためにな」
「適正……。それは人格だとか能力だとかいったことか? 創造主は宣告によってある程度のパーソナリティやスキルを持つ人間を生みだせるそうだが」
「簡単に言えばそういうことだ。だが創造主は自らの生みだした人間にすぐには宿らなかった。数人の候補となるべき人間を宣告によって生みだし、数十年の鍛錬をそいつらに課した。そしてその中でもっとも相応しい力を持った者に宿ろうと考えやがった……まだるっこしいことこの上ねぇがな」
「それほど慎重になったのには理由があるのか? ……その前に、まだ創造主が目覚めなければならなかった理由を聞かせてもらっていない気がするが」
 アルスの鋭い問いにシャールは「ほう……」と少し虫の居所がよくなったような表情を浮かべた。アルスは情報をしっかり整理している。半ば夢のような話が繰り広げられているのだ、もしその話の中に偽りがあれば辻褄が合わなくなるはずだった。アルスは自分でクライテリアについての話の真偽を見極めようとしていた。
 窓の外で空が泣きはじめた。外は風もなく、天から落ちる雫はまっすぐに地へと向かってゆく。静かな雨だった。
 ソファの後ろにある窓をシアンは振り返る。次々と落ちてくる空の雫を眺めながら、シアンは話の続きを待っていた。隣に座っているライエは話を真剣に聞いている。彼女の乗った自転車にぶつかったときは、ライエがクライテリアについての話に触れることになるなんて想いもしなかった、というようなことをぼんやりとシアンは想った。
 気紛れに口を開いたシャールは、話を続けることをまた自らの気分によって放棄している。そのシャールにかわってセラフィックが続けた。
「創造主はヴォイエントを救うために目覚め、ヴォイエントにやってくるつもりだったんです。自らの創造した世界に生まれた不死者というものの存在を抹消するために。……不死者がどういったサイクルで生まれるか、その正確な経緯はご存知ですか?」
 セラフィックの問いに、ヴォイエントのメンバー全員が首を横に振った。ヴォイエントの人間がそれを知らないのは当然である。周知の事実ならば、もう何かしらの手段が不死者に対して講じられているはずだ。
 静かになってしまった中、ライエがおずおずと「あの……」と声を発した。全員の視線がライエに集まる。注目されて小さくなりながらライエは口を開いた。
「伝承は、関係ないんでしょうか……。その、伝承ではベルセルクの残留思念が人々を襲って、その襲われた人々が輪廻に還れずに不死者になった……って言われていますけど……。不死者は残留思念の具現だっていうのもヴォイエントでは有力な説ですし……。あ、あの、検討違いなこと言ってたらごめんなさい」
「いや……実際ほとんどそれに近いよ」
 自信がなさそうに意見を述べるライエを安心させるように穏やかな声でヴェイルはそう言った。ヴェイルの言葉にライエは驚いたように顔をあげた。
 ハディスが「マジかよ!?」とすっとんきょうな声をあげる。そのハディスに対してヴェイルはきわめて真面目に頷いた。
「ヴォイエントにある死後の世界の概念として、輪廻転生っていうものがあるよね? あれは死後の世界の一説というだけのものじゃない。遥か古代の世界からあって、創造主がヴォイエントを創ったときに継承したシステム……つまり、輪廻転生は本当にあるんだよ。寿命をまっとうした人も病気で亡くなった人も、事故で命を落とした人も、原則的には魂となってクライテリアを彷徨い、時間を経て生きていたときの記憶が抹消されて転生する。でも、ヴォイエントという世界に恨みを持っていたり、他にも何かしらの要因を持っていたりする魂は巧く輪廻に戻れないことがあるんだ。伝承にあるベルセルク・ディザスターによって命を落とした人がそうだった。でもその残留思念は創造主に浄化されて輪廻に戻った……ベルセルクの残留思念は封印されたけれどね。そしてベルセルクの残留思念が封印された場所であるクリスタラインの封印が解かれると同時にヴォイエントに不死者が氾濫し、その不死者の襲われた人の魂が不死者に形を変える……」
「ちょっと待てよ、じゃあ俺様たちの手でどうにかできる問題じゃねぇってことか? 警察とかのやってる不死者の殲滅ってのは一時しのぎでしかねぇってことか?」
「……理論的には可能だよ。不死者をすべて殲滅して不条理に人が殺されるようなことがない世界にすればいい。でも……」
「今のヴォイエント見てると内乱とか紛争とかがあるから現実的に考えると無理なんじゃねぇか、っつーこったな」
「そう……その判断のもと、創造主は自らヴォイエントに行こうとしたんだ。その判断が為されるまでにいくらかの歳月を要した……、だから不死者が出現しはじめてから創造主が目覚めるまでの間にブランクがあるんだよ」
 一通り話を聞き終わると、ハディスは「悠長なこったな」とため息をついた。
 シアンは窓の外を見るのをやめてマイペースにソファからおりると、ゆっくりとキッチンへ向かった。そしてコップにビンから水を注ぐとそのコップにそっと口をつける。これはあくまでシアンにとって自分が情報を頭の中で処理するためのペースなのだが、ヴェイルたちには羨ましいほどの冷静さに見えた。シアンがそうしている間、誰も話を進めない。それはシアンを待っているのではなく、与えられた不死者に関する情報をアルスたちがすぐには飲み下せていないからだった。
 シアンはまだ水の残っているコップを片手にソファに戻った。そしてまたソファの上で膝を抱える。
 思いだしたとは言いつつも、シアンは積極的に何かを話そうとはしなかった。ヴェイルとセラフィックは次の段階にどう話をつなげれば良いのか言葉を選んでいる。その中、アルスが沈黙を破った。
「それで……その創造主が宿った人間というのは今何処にいる? 創造主が目覚めたのは数年前で、まだ眠りにはついていないのだろう?」
 アルスの問いにセラフィックはすぐには答えなかった。ちらりとセラフィックがヴェイルを見遣ると、ヴェイルはすっかり俯いてしまっている。
 一度ヴェイルの姿を見てセラフィックは話すのを躊躇したが、意を決したようにアルスを見つめた。
「……たしかに創造主は目覚めました。でも……創造主の意識を完全に継承した人間はいません」
「……どういうことだ」
「この出来損ないが継承に失敗しやがったってことだ」
 吐き捨てるような口調でシャールが割って入った。思わずセラフィックが「シャール!」と咎めるように言ったが、シャールは気にもとめていない。
 セラフィックの方を見ないまま、シャールは言葉だけで牽制した。
「黙れ、セラフィック。テメェの逡巡は事実を伝えるのに邪魔になる。テメェはまだどう言おうか迷ってんだろうが。もう秩序は崩れかけちまってんだ、今更躊躇う要素なんてねぇだろ」
「それは……そうかもしれないけど」
 テーブルの向こうにいるシャールをセラフィックは真剣な眼差しで見つめた。しかしそれはシャールを咎めるのに効果を発揮しない。
 鋭い瞳でアルスに視点を合わせながらシャールは何の躊躇いもなく言い放った。
「知りてぇなら教えてやるよ、警察。そこの出来損ないとセラフィックは創造主が生みだした、創造主の器となるべき人間だ。結果的に選ばれたのがこの出来損ないだった。……そしてこいつは継承の儀式で失敗して事故を起こした。こいつが創造主の力を受け入れきれなかった所為で創造主の力は暴発し、その場にいた人間が何人も殺された」
「……なんだと……。その事故というのは、まさか……」
「そう、以前この出来損ないが言っていた取り返しのつかねぇ事故とやらのことだ。……結局この一件は、アリアンロッドが暴発した創造主の力に襲われたこの出来損ないを庇うことで終わりを迎える」
 シャールの言葉にアルスは反射的にシアンを見遣った。アルスだけではない、ライエやハディス、そしてユーフォリアもシアンへと視線を移す。しかしシアンはまるで他人事のように冷静な態度で、両手で握っているコップに口をつけている。隣に座っているライエと視線が合うと、小さく首を傾げた。
 あまりにゆっくりとしたシアンの様子を見ていると、シャールの言葉が本当なのかどうかアルスたちにはわからなくなってくる。おそるおそるライエが「今の話、本当なの?」と問いかけると、シアンはほんの少し頷いてみせた。
「庇う前のことはまだ思いだせないんですけど……。でも私、暴走してた創造主の波動をそのときに受け入れてしまったみたいで。だから創造主の意識のうちいくらかは私が持っています。完全に受け継いだというわけではないですけど」
「アリアンロッドは創造主の陰の力を受け継いだということだ」
 冷静にシャールが続ける。その言葉に対して質問しようとして、ユーフォリアはセラフィックと視線を合わせた。シャールに訊ねてまた罵倒されるくらいなら、最初からシャールには訊かなければいいとユーフォリアは判断している。
 視線の先にいるセラフィックはユーフォリアの心境を見抜いて質問を待っているかのように、穏やかな表情を浮かべたまま何も言わずにユーフォリアの発言を待っている。シャールとは正反対の質問がしやすい状態に、ユーフォリアは安心して声を発した。
「あのさ、その陰の力ってのは何なんだ? 陰があるなら陽もあるってことか?」
「そうだよ。ヴェイルが受け継いだのは宣告を司る陽の部分……だからあれだけのレメディが使えるんだ。そしてシアンが受け継いだのが神罰を司る陰の部分……シアンの強大な術力はここに起因するんだ。禁忌の術を使えることもね」
「じゃあ……アクセライが狙ってるシアンに眠ってる力っていうのは……」
「創造主クレアの力だよ。陰と陽に意識が分離した創造主の力は完全に発揮されることなく眠ってしまった……その眠ってしまった陰の力、つまりは強大な破壊力を持つ方の力をアクセライは呼び覚まそうとしているんだ」
 部屋がしんとした。アルスたちはシアンとヴェイルを交互に見つめる。シアンは相変わらず平然とした顔のままでいたが、ヴェイルは俯き加減になって顔をあげない。
 伝承によって伝えられている創造主クレアはクライテリアという別世界に実在し、しかもその創造主はアルスたちの身近にいた人物、シアンとヴェイルに宿っていた。セラフィックやシャールの口から語られたその真実は、ヴォイエントで生まれ育った人間にとって簡単に受け入れられるものではない。たとえ話している相手が嘘を言っているようには見えなくとも、夢のような話はすぐには真実性を帯びなかった。アルスたち、ヴォイエントのメンバーは頭の中で聞いた話を整理するのに精一杯で、示し合わせたというわけでもないが、一旦全員が質問を中断した。
 その空気を払拭するかのようにシャールが突然ヴェイルに向かって言い放つ。
「腹減ったな……。おい、そこの出来損ない、何か飯作れ」
「……シャール、君……この家の食費、アルスの家計に関わってるのわかってる?」
「ガタガタ抜かすな。たまには役に立て」
 話が変わってやっと顔をあげたヴェイルがどう言おうともシャールは引きそうにない。仕方なくヴェイルがアルスを見遣ると、アルスは、言う通りにしてやれ、と小さく頷いた。
 渋々椅子から立ち上がると、ヴェイルはキッチンへと歩いてゆく。それを見てシアンはコップに残っていた水を飲み干すと、空になったコップ片手にキッチンへ向かった。
 リビングとキッチンの間に扉はないが、構造的には隣同士の部屋のようになっている。リビングで椅子に座ったままキッチンに立つヴェイルを眺めるシャールを見て、セラフィックは小さく笑った。突然笑いだしたセラフィックにシャールは「何が可笑しい」と視線を向ける。にこやかな表情でセラフィックはそれに応じた。
「なんだかんだ言って、結構気を遣ってるじゃない。ヴェイルの気を紛らわせてあげてるなんて」
「莫迦言うんじゃねぇ。また落ち込んでグチグチ言われんのが厭なだけだ」
「まだヴェイル何も言ってないよ? 落ち込んだ発言もしてないし」
 笑顔でさらりとセラフィックにそう言われてシャールは言葉に詰まった。
 シャールは少し間を置いて、一度不機嫌そうな顔をしてからため息をつく。
「……アリアンロッドに似ちまったんじゃねぇのか」
 諦めたように吐きだされた言葉はそれだった。思わずセラフィックが吹きだすと「笑ってんじゃねぇ」とシャールは鋭い視線を送る。
 しかしシャールにとっては不本意かもしれないが、その会話は緊張したままだったこの場を和ませるのに充分だった。